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大分入れ歯相談室(大分市鶴崎駅近くの藤原歯科医院)

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 総入れ歯を安定させるために


パソコンの文字が小さく感じられる方は、
ぜひ ここをクリックして、この方法を試してみてください。


私が歯学部を卒業してから 総入れ歯について思ったこと


私は歯学部を卒業後、補綴科という入れ歯を作る専門の科に入局しました。
毎晩、遅くまで技工して、入れ歯を自分で作っていました。
週1回、補綴科の先輩の歯科医院で勉強させていただき、
共感するものがあって、そこに就職しました。
もっとそこで補綴の勉強をしたかったのですが、
父親(前院長)の入院のため、大分に帰ってこなければなりませんでした。

父親の病状が回復して、2人で診療していましたが、
父親は総入れ歯が専門、私は父親の補助で、
主に磁石の入れ歯やコーヌス義歯を担当していました。

たまに、私が総入れ歯の患者さんを診る時に感じたことは、
下の総入れ歯は、下アゴに乗っかっているだけで、
ちょっとのことで、簡単にズレていくので、非常に難しいと思いました。
1本でも歯があれば、なんとか入れ歯を固定することができます。
1本歯があるとないとで、大きな違いを感じました。

(そして総入れ歯を専門にしている父親を少し尊敬してしまいました。
もう一つ父親に感謝しているのは、入れ歯などの学術的な勉強を、これでもかというほど、
させてもらったことです。)

その後、私はミニインプラントという
入れ歯を固定できる優れモノに辿り着いたわけです。



ここで、少し父親(前院長)のことを書いておきます。

私の父親(前院長)は、平成24年10月3日に永眠しました。享年83最でした。

父親の入れ歯の師匠は、日田の横田亨先生です。(横田先生も、すでに亡くなられています)
総義歯の大家として全国的にも有名な先生でした。
大変懇意にしていただき、いろいろ教えていただきました。

父親は勉強のために、積極的に自分の歯を抜いて総入れ歯にしました。
入れ歯の患者さんの気持ちを理解するためでもありました。



◎どこで噛んでも食べられるような入れ歯を作ってほしい、と思われるでしょうが、
総入れ歯では難しいことです。
なぜなら、かみ合わせをとるということは、ある特定の位置を決めるということです。
そこから数mmの幅だけは調整できますが、それ以上の広範囲は調整できないのです。
ある特定の位置というのが中心位、中心咬合位と呼ばれる、
安定して噛み合う状態での下顎位になります。

「噛んで」と言われて  →  一定の位置に定まらない人は難しいです。
噛む位置が定まらなければ、ある程度こちらも誘導しますが、
何度やっても、あるいは時間をおいて何度かみ合わせの調整をしても、
一定の位置にハマってくれない人は難しいです。

ちゃんとしたかみ合わせを決めきれない理由として、
患者さんの噛む位置が安定しないというのもありますが、
もっと大きな理由は、下の入れ歯(咬合床)が安定しないからです。
特に、顎堤が小さくて平坦な場合、入れ歯が動いて収まらないことが多いです。
接着剤とかも試してみましたが、どれもダメで、
最終的にミニインプラントに辿り着きました。

私がミニインプラントをした患者さんを見て、父親もビックリしました。
長年 総入れ歯を使っている父親に
「ミニインプラントさせてよ。もっと噛めるようにしてあげるから」と言ったら、
父親が答えたのは「良いのは分かってる。しかし、俺はこのままでいい。
(ミニインプラントできない)総入れ歯の患者さんの気持ちが分からなくなるから」
という理由からでした。



それではミニインプラントの無かった時代に、
前院長が考えた咬合採得の最善の方法とは?

◎今 使っている入れ歯が噛めないと言われる人に、
いきなり新しい入れ歯を作っても噛めません。
一度、練習用の入れ歯を作って噛めるかどうか試してみます。
仮義歯(治療用暫間義歯)を作るということです。(自費で別途費用がかかります)
あるいは現時点で使っている入れ歯を修理・改造します。

粘膜面に(ポリグリップのような)柔らかい材料を敷いて、
かみ合わせを調整します。
時間をおいて何度も何度も。
(この回数は、難症例になるほど多くなります。)

ある程度 噛めるようになってから、やっと新しい入れ歯の型をとります。
この時に、今 使っている(調子の良い)入れ歯の「いいとこ取り」をするために、
今 使っている入れ歯で型をとり、
今 使っている入れ歯で咬合採得をするという方法を考えました。
(慣れれば、それほど難しいことではない方法ですが、
入れ歯をお預かりするため、2時間ほど待ち時間が掛かります。)

この方法なら、下の入れ歯が安定して、かみ合わせがとれるということ。
ミニインプラントができない患者さんにとって、これが私達が考える最善の方法です。
(でも、どんなに うまくいったとしてもミニインプラントには かないません。
ミニインプラントは名人芸・達人技を越えるのです。)



また、顎堤が弱くて、硬い入れ歯に慣れていただけない方には、
最終的な入れ歯にも、柔らかい材料を裏打ちしないといけません。
(このような場合は、Kデンチャーのような軟らかいシリコーンを使ったほうがいいです。
自費で別途費用がかかります)

「良い入れ歯を作るためには時間(期間)が掛かる。
よく噛めない入れ歯を使っている人ほど治療期間が長くなる」
ということを理解していただけましたでしょうか?

型をとれば、すぐに良い入れ歯ができます、なんて言いません。
新しい入れ歯の型をとる時点で、
ある程度 噛めなければ、噛めるところまで改善できなければ、
新しく作る入れ歯も、その程度のものとなるでしょう。
ですから仮義歯の段階で、ある程度 改善できなければ、
自費の入れ歯は薦めません。



『そして、かみ合わせは変わっていく』

噛めない入れ歯を入れていると、小鳥がえさをついばむように前で噛みます。
噛める入れ歯を入れていると、牛が草をむしゃむしゃ食べるように、奥歯で噛みます。

良い入れ歯を入れていると、下アゴが奥に移動していきます。
ここでかみ合わせを調整する必要が出てきます。
噛めている入れ歯が噛めなくなり、咬合調整をすれば、
また噛めるようになることが、これまでに多くありました。



20年以上前、上は総義歯(無歯顎)で、下の前歯が2本だけ残っている患者さんに、
下の2本に磁石の細工をして、総入れ歯形式の磁石デンチャーを私が作りました。
20年間ずっと調子が良かったのですが、磁石を入れている歯がグラグラして痛くなり、
1本ずつ抜いていき、とうとう下も無歯顎になりました。
すると、下の入れ歯が動き出し、安定しなくなりました。
調子の良かった上の総入れ歯も外れやすくなったと言われて、よく調べてみました。
前噛みしています。下の入れ歯が動くから安定させようとして
前噛みの習慣が付いてしまったのです。

また奥歯で噛めるようにするためには、下の入れ歯を安定させることが必要です。

ミニインプラントを提案 → 承諾していただき、かみ合わせも奥で安定しました。
2本の歯が残っていた時と同じように、それ以上に、噛めるようになったそうです。
もちろん、変わっていったかみ合わせの調整も行いました。



難しい歯科用語を使ってすみません。解説をしておきます。

・顎堤・・・入れ歯の床を乗せる歯茎の部分のこと。
・中心位、中心咬合位・・・安定して噛み合う状態での下顎位のこと。
・咬合採得・・・上下の歯の位置関係を記録する作業のこと。
これにより模型を咬合器に装着することが可能となる。

歯があれば、咬合床は動かないが、
歯がないと、咬合床は動いて安定しない。

・咬合床・・・印象した石膏模型の上に作り、
咬合採得をするためのもの。
咬合床を使って咬合採得すれば、
上と下の石膏模型を合わせるための位置決めをすることができる。
咬合床 ←これが上と下の咬合床。
どういうふうに上の咬合床と下の咬合床を3次元的に合わせるか?
咬合床を口の中に入れて、患者さんに噛んでもらうわけですが・・・

 復習されたい方は、また、このページの中央部に戻って読んでください。






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